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障害年金事例集

慢性糸球体腎炎 30代男性 審査請求処分取消

掲載日:2014年05月14日

障害種別: 腎疾患の障害 病      名: 慢性糸球体腎炎(慢性腎不全)
認定結果: 障害厚生年金2級 都道府県: 東京都
そ の 他: 人工透析,腎硬化症,慢性腎不全,審査請求により処分取消

受診状況等証明書によると平成16年2月、大学病院で慢性糸球体腎炎にて受診。
受診状況等証明書は以前に請求を試みた際に取得したもので、コピーだった。
現在は診療録が残存しておらず記載できないとのこと。

受診状況等証明書では平成13年頃より健診で指摘があったとされる。
診断書では平成11年頃より血尿等を指摘、と記載あり、平成17年より人工透析導入。
初診日は平成13年、16年であれば厚生年金被保険者期間で納付要件を満たすが、
平成11年では国民年金期間にあたり納付要件を満たさない。

平成24年9月に当事務所が代理し、平成16年2月を初診日として障害厚生年金を請求。
「平成16年2月を初診と認められないため」として平成25年3月に却下処分。
決定は不当として平成25年5月に審査請求を行う。

平成25年12月に審査請求が認められ、社会保険審査官により処分取消。
遡及請求についても認められ、時効前の5年分と今後の障害年金が支給となりました。

坂田の意見・感想

健診結果の取扱い、アンケートの取扱いは非常に繊細です。
たとえば今回の請求では平成12年の健診結果を提出しました。


自覚症状:口渇
尿検査:糖(ー)、蛋白(3+)、潜血(3+)です。

しかし、本来これだけでは腎機能にまで影響があったかはわかりません。
現にクレアチニンは1.0、尿素窒素は13でした。
この数値からすると腎機能には影響がないと判断できます。

また健診の総合所見は「経過観察」とされ、
「自覚症状が増強する場合でしたら医師に相談して下さい」との記述でした。
おそらくこの程度の指摘であれば、受診しない方も相当程度おられると思います。

それにも関わらず、年金機構は受診状況等証明書の平成13年とされた一文、
または診断書の平成11年とされた一文を根拠に却下処分としました。
この期間の健診結果が一切手元になく、腎機能は低下しておらず、
かつ、この期間の大部分を厚生年金期間で満たしているのにも関わらず、です。

これが現在の障害年金請求の実態です。
少しでも基礎年金(国民年金)の可能性を残せば却下してきます。
しかも請求自体が却下なので、障害基礎年金の受給権すら得ることができません。
*これについては社会保険審査会が妥当でないと指摘している裁決もあります

本件では審査請求に非常に時間がかかりましたが、
最終的に平成11年から13年の指摘は初診日と認定すべきでなく、
平成16年を初診日とし、社会保険審査官による却下処分の取消となりました。

平成24年9月の請求から処分取消まで、実に15ヶ月かかっています。
しかし再審査請求となれば更に1年程度はかかったでしょう。
ここで認められたことで助かったとも言えます。

ちなみに余談ですが、当事務所の照会では「廃棄済」とされた診療録ですが、
社会保険審査官からの要請で存在していたことが判明しています。



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