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障害年金入門

精神の障害に係る等級判定ガイドラインって?

掲載日:2016年11月04日

平成28年9月より「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」の運用が開始されています。
障害年金の認定においては、既に障害の程度を定める基準として「障害認定基準」がありますが、等級判定のガイドラインとは何のためにあるのでしょうか。

等級判定ガイドラインの目的

ガイドライン「第1 趣旨・目的」において、ガイドラインの目的を以下のように述べています。
障害基礎年金について新規に申請を受けて決定を行った事例のうち、不支給と決定された件数の割合が都道府県間で異なることから、各都道府県における障害基礎年金の認定事務の実態を調査したところ、精神障害及び知的障害の認定において、 地域によりその傾向に違いがあることが確認された。(中略)

このガイドラインは、精神障害及び知的障害に係る認定において、障害等級の判定時に用いる目安や考慮すべき事項の例等を示すものであり、これにより、精神障害及び知的障害に係る認定が「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」(平成14 年3月15日庁保発第12号。以下「障害認定基準」という。)に基づき適正に行われるよう改善を図ることを目的とする。
ここでいう調査とは、当サイトでも報告した「障害基礎年金の障害認定の地域差に関する調査結果」(平成27年1月14日)を指しています。

障害基礎年金は全国の事務センターで認定事務を行っていますが、バラつき(地域差)があると言われてきました。それを厚生労働省が公に認める形とになりました。

その地域差を是正するのが目的と言っているわけですが、障害年金の認定事務は平成29年4月に東京に集約化されることが決まっています。また既に認定事務が一ヶ所で行われている障害厚生年金までも対象としています。

明らかにここでいう「目的」を超えて対象としているようにも感じられ、その本来の目的というのを危惧せずにはいられません。

等級判定のガイドラインの目安

精神の障害の診断書は、日常生活能力の残存度合いによって認定を行うようになっており、日常生活能力の判定欄で7項目を4段階、日常生活能力の程度として1項目5段階で表します。

しかし障害認定基準では「どのような判定とされた場合、何級に該当するか」という具体的な定めが全くありませんでした。しかしおおよそ何級に認定するか、されるかという「感触」のようなものは、それぞれ認定医、診断書作成医、社会保険労務士それぞれが持っていたように思います。

しかし「日常生活能力を著しく制限しているか」ということをチェックの付き具合から個別に認定するため、当然のことながら認定医の主観が入る余地が大きかったものと考えられます。

これを統一したのが「等級判定の目安」です。
等級判定のガイドライン
ガイドラインの目安により、診断書を見て自分の目安というのが誰にでも目に見える形となりました。認定がまったくのブラックボックスであった中での改善と言え、これは一つ良いことであると思います。

等級判定のガイドラインの評価と例外

このガイドラインが策定される際、厚生労働省は専門家会合を開いて協議をしました(私も傍聴に行きました)。その中で関連団体が参考人としてヒアリングを受けています。

(第3回)精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会

ガイドラインが作成されるのにあたり、一番の懸念材料であったのが事実上の基準引き上げにつながるのではという点です。

特に数年前から、知的障害の障害者就労に伴う支給停止が非常に増えており、その点について様々な団体から意見が出ました。

その結果、 既認定者の再認定にあたっても第3の3(4)により診査を行うが、ガイドライン施行前の認定も障害認定基準及び認定医の医学的知見に基づき認定されたものであること等を踏まえ、既認定者の障害の状態が従前と変わらない場合については、当分の間、等級非該当への変更は行わないことを基本とする。 という付則が最終的に加えられることとなりました。

この「従前と変わらない」というのは、障害状態確認届でいう⑥欄の「前回の診断書の記載時との比較」と裏面の判定および程度欄によるものと考えられます。これらを「目安」に当てはめて等級非該当となっても支給停止しない、ということになります。

しかしながら障害者雇用が継続している場合などについては、これまで通り、これらの事実をもって「障害の程度が該当しなくなった」と年金機構が認定する可能性は依然としてあります。そのため今後、障害者雇用をどのように評価し、障害年金の支給可否にどうつながっていくか、注視していく必要があると考えています。



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特定社会保険労務士:坂田 新悟
多くの方にこのHPを見て頂いて、障害年金を請求する機会、知る機会が増えればいいと思います。

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