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障害年金入門

【2015年4月版】 障害年金を遡及請求する時の注意点。

掲載日:2015年04月15日

障害年金における遡及請求とは?

障害年金の遡及請求については別ページで解説していますので、そちらをご覧ください。

遡及認定日請求というのは、常日頃から行っているものです。
障害年金は障害認定日を過ぎると請求可能となりますが、
そこでぴったり行える人が少ないからです。

遡及請求については、ネットでいろんな情報があるかと思います。
実際に請求された方の体験談、噂で聞いた話、医師の意見、いろんな内容です。
当サイトの情報もその一つになりますが、それを一つひとつ否定していくつもりはありません。

ただ、体験談というのはその人個人に起きたものにすぎません。
一つの体験をもって全体を語る、またそれに過度に依存した請求は危険です。
特にそれが匿名性のある状態であれば尚のことです。

ここでは最新の情勢を踏まえて、遡及請求について考えたいと思います。

遡及請求は難しくなったのか?ほとんど通らないのか。

遡及請求がほとんど通らなくなった、ということはないと考えています。
私たち社会保険労務士は今でも日常的に遡及請求を行っていますし、
過去は認められたレベルなのに通らなかったなら、審査請求を選択します。
審査請求再審査請求は確かに増加傾向にありますが、10倍、20倍になったわけではありません。
ほとんど通らなくなった、というのは明らかに言い過ぎです。

また、精神について語られることが特に多いですが、
精神の障害認定基準自体はここ数年で大きく変わっていません。
基準が変わっていないので、変わっているとすれば日本年金機構の認定です。
これは残念ながらあると思います。

精神の障害年金、特に障害者雇用(就労)との関係の問題は現に生じていて、
当事務所でも再審査請求までいって負けたものや訴訟予定のものがあります。
たとえば月に数万程度の賃金を受ける就労をして、支給停止されているのが実情です。
IQは6歳前後とか、そういったレベルの方です。
(IQだけで認定しているわけではありませんが、指標の一つではあります)

これはここ数年で厳しくなった典型的なケースです。

事後重症請求との兼ね合い

これまで遡及請求をしていて、認定日から3級、請求日から2級という認定は普通にありました。
遡及請求をする際には障害認定日時点の診断書と請求日時点の診断書を提出し、
それぞれ認定を行う、というのが通説でした。もちろん今でもこうした決定はあります。

一方で「遡及3級事後3級」となった場合に、事後重症分の決定について
審査請求、再審査請求は却下(つまり審査請求が不適法であるという決定)
とされることが生じています。不思議ですよね。

これは社会保険審査会が決定した裁決にあります。
社会保険審査会はある時から遡及請求分の請求を主位的請求、
事後重症分の請求を予備的請求と呼び、主位的請求が成就した場合には
事後重症請求に処分がなかったものとみなす、という論法を使用するようになりました。

処分がないものについて等級を審査請求で争うことができない、という考え方です。
これもここ数年で出てきた話で、まだ年金事務所レベルではほとんど知られていない事実です。
あまりに唐突な話で、これに関する手続き方法というのはまだ確定していません。
ですから窓口でもどうすればよい、という案内ももちろんありません。

ネット上でもこうした事まではほとんど触れられていません。
(当事務所も執筆した障害年金相談標準ハンドブックでは触れています。
 また講師を務める社労士向け実務セミナー等ではお話しています)



こうした決定を防止する請求方法が対症療法的にあるのですが、
それも実行している社会保険労務士はまだほとんどいないでしょう。
(またその方法がどのくらい有効なのか、まだ充分わかっていません)

ただこうした決定があるのは事実で、不利益を受けている請求者がいます。
ここまでケアして個人で遡及請求するのは、はっきり言うと今は不可能だと思います。
遡及請求で「遡及3級事後2級」になりうるような請求は、
ご自身で行うと思わぬ不利益が生じる場合があります。

遡及請求一つ取っても、刻一刻と法解釈が変容していきます。
今まで通用してきたものがいきなり通用しなくなる。
これが障害年金の本当の怖い部分なのです。

こうした事実からすると、いつの話かもわからないような
個人の体験談1つなどあってないようなものです。



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