障害年金の請求時期はいつ?傷病手当金が残っている場合の注意点
掲載日:2026.02.14
大きく分けて、2つのケースが考えられます。
初診日→そのまま休職開始となり、傷病手当金を受給しているケース
精神障害など、原則として障害年金の請求、診断書取得は初診日から1年6月経過してからでないとできません。もし初診医療機関と診断書作成医療機関が異なる場合は、受診状況等証明書を取得するなどの準備は可能です。
初診日はもっと前にあり、働きながら治療していたものの休職して傷病手当金を受給したケース
初診日から1年6月を経過していれば、傷病手当金の有無にかかわらず、障害年金請求はいつでもできる状態です。障害年金は請求から入金まで約4ヶ月かかるため、傷病手当金が切れてから動き出すと収入の空白が生じます。目安として、傷病手当金受給開始から1年が経過し、残り6ヶ月になった時点で障害年金の準備を始めることをお勧めしています。
いずれのケースでも共通するのは、傷病手当金の期間が残っているうちに障害年金の準備を始めるべきという点です。以下では傷病手当金の仕組みと、障害年金との関係を解説します。
傷病手当金とは
一般的に「社会保険」とは「健康保険」と「厚生年金保険」を指します。この「社会保険料」は給与(賞与)に応じて人によって異なる保険料とになっていて、事業主負担分を含めると保険料は28%以上にもなっています。そもそも社会保険に加入するかどうか、労働者が選ぶことができませんが、加入することによるメリットもあります。将来的に厚生年金の給付が得られるというのもそうですが、傷病手当金もその一つです。国民健康保険には原則として傷病手当金がありません。(国保組合には、一部、傷病手当金という名称の給付があります)
令和4年1月の健康保険法改正により、傷病手当金は「通算1年6か月」支給されるようになりました。改正前は「継続して1年6か月」だったため、途中で復職した場合などに受給期間が短くなるケースがありましたが、改正後は通算での計算となり、より受給しやすくなっています。
傷病手当金は、私傷病で労働者が働けなくなり給与がない時に受けられる給付で、給料のおよそ3分の2を「1年6ヶ月」にわたって受けられる給付です。病気等で働けなくなっても、1年6月の長期に渡ってまとまった収入を確保できるというのは非常に大きいです。
国民健康保険の方は、働けなくなると比較的短期間で収入が途絶えてしまいますから、民間の収入保障保険などの加入を検討してください。
傷病手当金の手続き方法
給与の有無、待期期間などの定めがありますが、被保険者であって「労務不能」になれば基本的に受給ができる状態になります。手続方法は、在職中の場合には「働いていない証明」が必要なので、会社を経由して手続きをします。書類は会社に提出しますが、人事・総務が行う通常の業務の一つですので、特に申し訳なく思う必要はありません。大企業などでは有給休暇消化後に有給の休職期間を設けている場合があります。これは会社の福利厚生であって傷病手当金ではなく、この期間は傷病手当金より支給額が大きいことが多いため、傷病手当金は受けられません。 傷病手当金を受給できる場合、通常は障害年金よりも優先して受給します。これは金額的に障害年金より受給額が大きいことが多く、手続きもずっと簡素であるからです。また、障害認定日を迎えていないため、障害年金請求ができないケースというのも多くあります。
傷病手当金の支給基準
傷病手当金の重さに関する基準は、原則として「労務不能」であることだけで、これについては主治医が証明すれば足りるという非常にシンプルな仕組みです。基本的には主治医の診断通りに決定されますが、まれに不支給処分もあります。支給される額は、障害年金のような「等級」という概念はなく、傷病の重さによって金額が変わることはありません。あくまで自分が負担していた健康保険料に応じた額が支払われることになります。
傷病手当金最大の弱点:期限があること
手続きが簡単、給付も大きい、基準もシンプルと良いことずくめに思える傷病手当金ですが、弱点というのもあります。それは「期間が定められた給付」であるという点です。この期間を満了してしまうと、状態がどんなに悪くても給付は打ち切られてしまいます。法律では下限として「受給開始から1年6ヶ月」が定められており、組合によっては独自の給付として「3年」にするなどの付加給付が付いていますが、組合の財政を圧迫しています。この期間を満了してしまうと収入がなくなってしまいますから、他の方法で生活を成り立たせなくてはなりません。その時の選択肢として検討すべきなのが、障害年金ということになります。障害年金は障害認定日を迎えていれば、いつでも請求可能となります。傷病手当金の支給期間は最低でも1年6ヶ月ですので、この間に障害年金の障害認定日は到来します。そのため、休職中に傷病手当金を受けながら障害年金の請求を行う、ということもできます。
というより、むしろそうしなければなりません。傷病手当金が切れてから請求をすると、障害年金の審査中は生活費が得られなくなってしまいます。障害年金の審査には3ヶ月半程度はかかるので、その間無収入になってしまいます。これはほとんどの方にとって大ピンチです。
よくある質問
Q:傷病手当金を受給しながら障害年金を同時に請求できますか?A:はい、できます。むしろ傷病手当金が残っているうちに障害年金の請求手続きを始めることを強くお勧めします。傷病手当金が切れてから動き出すと、審査期間中(約3〜4ヶ月)に収入の空白が生じます。
Q:傷病手当金と障害年金は同時に受け取れますか?
A:受け取れますが、障害厚生年金を受給している場合、傷病手当金は障害年金の額だけ減額調整されます。ただし障害年金の方が少ない場合にはその差額が傷病手当金として支給されます。
Q:傷病手当金は令和4年の改正でどう変わりましたか?
A:令和4年1月より「継続して1年6か月」から「通算1年6か月」に変更されました。途中で復職した場合でも、受給した期間を通算して最大1年6か月受給できるようになっています。
Q:いつから障害年金の準備を始めればいいですか?
A:傷病手当金の受給開始から1年が経過し、残り6ヶ月になった時点が目安です。障害年金は請求から入金まで約4ヶ月かかるため、早めに動くことが重要です。
Q:国民健康保険の場合、傷病手当金は受けられますか?
A:市町村国保には原則として傷病手当金はありません。国保組合には一部設けているところがありますが、一般的な国民健康保険の加入者は受給できません。
まとめ
障害年金は、傷病手当金が残っているうちに請求するのが理想的です。収入の空白ができないよう、傷病手当金受給開始から1年が経過した時点で準備を始めることをお勧めします。令和4年の法改正で傷病手当金は通算1年6か月に変わりましたが、それでも期限のある給付であることに変わりはありません。切れる前に動くことが、生活を守るうえで最も重要なポイントです。手続きのタイミングや障害年金との併給については、個別の状況によって異なりますので、お気軽にご相談ください。
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