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障害年金入門

まったく話題になっていませんが、身体障害者手帳の認定基準が変わりました

掲載日:2016年08月12日

聴覚機能障害の件以外ではあまり話題になっていませんが、平成26年4月1日から身体障害者手帳の障害認定基準の見直しがありました。今まで高い等級であったものが下げられる、言い換えれば認定のハードルが「上がる」ことになります。

身体障害者手帳の障害認定基準が見直し

内容としては・・・

今まで一律に1級とされてきたペースメーカー装着者1級、3級、4級になり、
4級と5級であった人工関節置換股関節・膝関節が4級、5級、7級
足関節は5級、6級、7級、さらに非該当になるという改定です。
(参考)東京都福祉保健局(リーフレット

また、ペースメーカー装着者は必ず3年以内に再認定を受けることとなり、その時点で、身体活動能力で2メッツ(METs)未満は1級、3級は4メッツ未満となります。

ちなみに、軽いストレッチは2.5メッツなので、これでは1級非該当です。皿洗い、アイロンがけも2.3メッツですし、幼い子供を抱きかかえて移動する、もだめです。子供を寝かせる、は1.5メッツなので大丈夫ですね。
(独立行政法人国立・健康栄養研究所「身体活動のMETs表」)

障害年金と障害者雇用に与える影響

このサイトでは繰り返し書かせていただいていますが、各種障害者手帳と障害年金は全く別の制度です。

一部報道では「障害者年金」と言われることもありますが「障害者年金」という年金制度は存在せず、国民年金・厚生年金保険の中に「障害年金」という受け取り方があるだけです。そして「障害年金」を受け取るためには身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳とは別に手続きをしなくてはなりません。

また等級というのも直結しません。身体障害者手帳は1級から7級(手帳発行は6級)までありますし、障害年金は3級(と障害手当金)までしかありません。精神保健福祉手帳は1級から3級ですが、年金と等級が必ずしも一致するとは限りません。(ただし年金証書で同じ等級の精神障害者保健福祉手帳の発行ができます)

制度が別ですから、障害年金への影響というのは現時点では全くありません

しかし、今後は確実にあるでしょう。近いうちに身体障害者手帳の認定基準改定を既成事実として、必ず障害年金の認定基準見直しにつなげると思います。

また障害者雇用への影響も甚大です。

たとえば、障害者雇用の対象となるのは基本的に各種手帳の所持者になります。以前労働局にも確認したのですが、障害年金を受給していても、その事実や年金証書では事業主は障害者雇用として算入できない、と処理しているそうです。(障害者雇用の確認書類に「年金証書」が含まれてないから、と某労働局は言っていました)

障害者雇用促進法では重度身体障害者はダブルカウントされ、1名雇用で2名として計算され、障害者雇用納付金制度が運用されています。
(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめからわかる障害者雇用」)

*平成26年3月17日追記
身体障害者手帳の再認定についてですが、厚生労働省HP(外部リンク)に掲載されています。

今回の改正により、ペースメーカー装着は3年後の再認定必須に改定されていますが、平成26年4月1日以降で診断書・意見書を作成された方のみ新しい認定基準(3年後の再認定の対象、等級変更になりうる)こととなります。

よって、障害者雇用における重度身体障害者(ダブルカウント)から外れる可能性があるのは平成26年4月1日以降に、ペースメーカー装着で身体障害者手帳を取得された方となり、障害者雇用の際(特に重度身体障害者として雇用される場合)には、いつ障害認定を受けたかを管理する必要があります。

また障害者雇用促進法は平成27年4月1日から、常時雇用している労働者数が100名以上に適用範囲が拡大されました。

障害者雇用でクローズ(公表しない)ということはありえないでしょうが、障害年金はクローズで就労することも絶対に不可能とは言えません。

(H26年3月14日追記)
当サイトはクローズでの就労を勧奨したり、それを全面的に是認しているわけではありません。
報道でも多くある通り「てんかん」による事故というのは後を絶たず、労使互いに大きなリスクがあります。
また、聞かれた質問によっては、不実記載等で解雇事由になりうるという考え方もあります。
その一方で、クローズにしなければ就労できない実態というのもあるのも否めません。

ご存じの通り、「生活保護」に対する世間の眼は厳しくなっています。しかし一般の方には「生活保護」と「障害年金」について深い知識がないことが通常ですから、これらを同じく見てしまい、「就労しながら障害年金を受給するのはおかしいのではないか」と言われるかもしれません。

しかし「就労」と言ってもA型であれば最低賃金というところがほとんどです。つまり安定して就労するまでに必要な保障であって、保障がなくては就労へ入っていけないということも多々あると思うのです。

障害年金受給者が、いつか安定して就労することができるようになり、障害年金を受給しなくて済むようになったら、これを悪いという人はいないでしょう。ほとんどの方はそうなりたい、と日々過ごされています。ですからそのために必要な時間なんだ、と捉えて欲しいですね。



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