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障害年金入門

働いていても受給可!障害年金の受給資格とは?

掲載日:2017年10月03日

*平成27年10月に初診日の認定の在り方が変更となりました。
それ以前に不支給を受けていた場合、再請求により認定される可能性があります。


障害年金は、特別なものではありません。年金の「受け取り方」の一つです。年金は60歳(から65歳)になった時からだけ受給できるというわけではなく、それ以外にも受け取る方法があります。そのうちの一つが「障害年金」になります。

ですので・・・
65歳以上である必要はありません。 むしろ65歳以上は原則として障害年金を請求できないことになっています。
*ここはケースによるので心配な場合はご相談ください

障害年金は、障害状態であることに対して支給されるもので、2つの条件を満たせば誰にでも支給されます。

障害年金受給のための条件

1・障害認定基準を上回る障害状態であること
2・保険料を一定以上未納にしていないこと
上記のうち1は必須条件です。2は状況によって異なり、後に書いてある通り、満たさなくても支給される場合があります。

ただし前に記載したとおり、障害年金は原則として65歳までに請求する必要があります。
(これは事故なく「老齢」という別の受け取り方ができる年齢に達したため、障害年金という受け取り方では請求できなくなる、という考え方です。現役世代の所得保障ということですね。)

よく似た制度に各種手帳(身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳)制度があります。

障害年金の受給資格を考えるときに一番よくある誤解は、この各種障害者手帳(身体・療育・精神)と障害年金を関連付けてしまうことです。これは誤りで、障害年金と各種障害者手帳は、障害認定基準や根拠となる法律が異なる、完全に別の制度になります。

したがって各種手帳の有無は、ただちに障害年金の受給可否には影響しません。障害者手帳のことは一旦忘れてもらってよいと思います。手帳を保有している事実、またその等級は障害の程度を確認する上で参考にはなりますが、あくまで目安にしかなりません。

もう少し障害年金制度について突っ込んで見てみましょう。

障害認定基準を上回る「障害状態」とは

障害年金受給の要件の一つは、当然ですが障害状態であることです。

障害年金には障害認定基準というものがあり、年金制度でいう障害状態とはどういった状態を指すかが決められています。(記事:精神肢体心臓・腎臓その他

障害年金を受給するためには必ず障害年金の障害認定基準を満たす必要がありますが、この基準には「就労していると対象外」とは書いてありません。ですので働いていても「障害年金でいう障害状態」には該当することはありえますし、そもそもそういった制度だと働く気がなくなってしまいます。

ですので一概に、「働いていると・・・」とか「働いていないと・・・」とか、働き方で括るのは誤りの素です。

また、障害年金の障害認定基準は、介護保険や各種障害者手帳の認定基準とは異なります。ですので「この手帳があるから障害年金を得られる」という風には通常なりません。手帳とは別に「障害年金の認定基準を越えているか」の認定を受ける必要があります。

障害年金の認定事務は、共済組合を経由して請求するもの以外は日本年金機構(旧社会保険庁)が直接行っています。障害基礎年金の場合は市町村役場の国民年金課を経由して手続きが可能ですが、提出書類はその後日本年金機構に回送され、東京にある障害年金センターで認定されています。この仕組みは比較的新しい仕組みで、それ以前は都道府県に置かれた事務センターで認定が行われていました。

障害年金は書面による審査となり、本人を直接見に来ることはありません。この点は介護保険制度との違いです。提出書類による審査で、請求者が障害状態であるかの認定が行われます。

障害年金受給のもう一つの要件「保険料納付要件」

各種障害者手帳は、障害状態であること「だけ」で認定されますが、障害年金を受給するにはもう一つの条件が必要です。

それが2の 「保険料を一定以上未納にしていないこと」 になります。

障害年金は基本的に保険と同じ仕組みです。たとえば自動車に乗っていて、交通事故を起こした時に自動車保険の保険料を払っていなかったら保険は出ませんよね。また、事故の後に自動車保険に入って給付を受けることもできません。

障害年金もそれと同じで、保険事故時(障害年金で言えば初めて病院に行った時)に、保険料が一定以上未納だと障害年金を受給することはできないということになっています。ただ、民間の保険ではありませんから「未納=即不支給」とまではされていません。

これを計算する基になる日が初診日です。初診日は保険料の要件の確認のほかに、請求する制度にも関わってきます。そのため初診日は非常に重要なのです。

この保険料納付の要件は、初診日時点で「未納」の状態にあってもただちに請求できないわけではありません。加入期間全体で見ることになっています。

また全額免除されている方(学生納付特例など)や厚生年金被保険者、そもそも納める義務のない人(国民年金第3号被保険者いわゆる会社員の扶養の方)は未納にはなりえませんので、こうした方についても問題ありません。詳しい保険料に関する考え方は(記事:障害年金の保険料納付要件とは?)で確認してください。

よくいただくご質問ですが、病気になったあと、滞納していた年金保険料を納める「後納」では、既に初診日のある障害年金の請求において納付済とすることはできません

「事故」後に保険料を納めたとの同じことですから、納付しても保険(給付)は得られません。初診日より後の保険料は、良くも悪くもその傷病の保険料納付の計算には入りません。極端な話、初診日後はずっと未納であっても、初診日時点でクリアできていれば保険料納付要件はOKです。

もちろん初診日後に納めた保険料は、今後において初診日がある傷病で障害状態になることがあった場合、老齢年金を受給する際の計算に入れることができます。

保険料納付要件の例外「二十歳前傷病」

保険料を納めている必要がある、と書きましたがこれには例外があります。年金制度に加入する年齢とされている二十歳よりも前に初診日がある場合です。

たとえば先天性の障害などは、国民年金に加入する年齢(二十歳到達)よりも前に初診日があるので、年金保険料を払うことができません。こうした方にも障害基礎年金が支払われることとなっています。

この制度を活用した請求を二十歳前傷病による障害基礎年金請求と言います。ただし二十歳前傷病とすると、保険料を納めている必要がない分、所得に制限がかかります。

二十歳前傷病に限りませんが「医師の診療を受けている」というのは非常に重要な要素です。現行の障害年金制度においては「発症」ではなく、初診日を立証する必要があります。

一方で、二十歳より前に初診日がある場合であっても、初診日時点で厚生年金加入の場合は、障害厚生年金として請求することができます。

各種障害者制度の違い

障害に関する制度はいくつかありますが、それぞれバラバラに動いています。

たとえば「障害者手帳」「労災」「障害年金」「介護保険」は似て非なる仕組みです。全てを受給するにはそれぞれ手続きが必要です。こうした障害者制度を管轄する機関も別々でありその認定基準もバラバラです。

ですので「障害者手帳を持ってるから障害年金が得られる」など、そういった「くくり方」は誤解を招くもとになります。

たとえば障害者手帳を持っていても障害年金を受給していない方は大勢います。手帳所持者の中には受給漏れの人もいれば、障害年金には該当しない人もいます。これは制度間で全く連動していないからです。

考え方としては「障害者手帳=交通機関の割引など生活におけるサービスの給付」、「障害年金=直接的な経済的支援としての給付」と考えて良いでしょう。直接的な経済的支援である分、障害年金の障害認定基準の方が厳しくなっています。

一方で、近年増加している「障害者雇用」の条件となるのは原則として各種障害者手帳の所持者となります。

障害年金の対象にならない人と近い制度からの移行

大きな考え方として、障害年金は「障害状態」を理由とした年金であって、現役世代で障害状態になった方の労働や日常生活における困難に対しての給付です。そのため原則として既に「老齢」を理由に年金を受けられる65歳以上の方は請求できません。(一部、65歳を超えても請求できる場合があります)

また障害基礎年金は、年金制度に加入する前の二十歳到達前の方も請求できません。

障害年金に近い社会保障・給付としては、労務不能に対して支払われる健康保険の傷病手当金がありますが、障害年金とは決定的に異なる点があります。

傷病手当金は、就労できなくなった時に受けられる給付です。つまり「労務不能」が絶対条件になっています。

障害年金の条件には「労務不能」という要件はありませんから、直接的に、就労している事実で給付を受けられないということはありません。つまり障害年金は働いていても障害認定基準を満たせば受給できるので、そこは大きな違いです。

また、傷病手当金は私傷病で就労できない場合に健康保険(組合・協会)から支給されるものです。障害年金とはお金の出どころが異なることになります。

傷病手当金の特徴は、障害年金は障害認定日を越えなければ請求できず、原則として1年6ヶ月経過しなければならないのに対して、給与を受けない待機期間、三日間を経過すれば請求できる点です。

またそれまで受けていた報酬のおよそ3分の2が補償されるので、金額面からも障害年金よりも傷病手当金をまず検討するのが通常です。

状況によって傷病手当金と障害年金、両方の受給権を得ることもできますが、両方を全額受け取る、ということはできません。それだと貰い過ぎになってしまうということで、調整されることになっています。

傷病手当金の最大の弱点は、治っていても治っていなくても、決められた期間で打ち切られてしまうことです。そのため病気によっては事前に打ち切られることを想定して、その後の準備をしておくことをお勧めします。(記事:傷病手当金の期間が残っているうちに障害年金を請求してください

障害年金の受給資格についてのまとめ

上記とは別に、障害状態であることの確認は障害認定日を過ぎていなければすることができません。
こちらは初診日によって、または障害によって変動する日付になります。ややこしいですよね。障害年金を請求するということは想像よりも難しいのです。

障害年金は働けているので対象にならない、と考えておられる方が非常に多い制度です。また一口に障害者制度といっても、多くの制度がバラバラに動いているのが現状です。

もし周りに受給の可能性がある方がいたら、ぜひ障害年金についても聞いてみてください。



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特定社会保険労務士:坂田 新悟
多くの方にこのHPを見て頂いて、障害年金を請求する機会、知る機会が増えればいいと思います。

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