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障害年金入門

働いていても受給可!障害年金の受給資格とは?

掲載日:2016年10月03日

*平成27年10月に初診日の認定の在り方が変更となりました。
それ以前に不支給を受けていた場合、再請求により認定される可能性があります。


障害年金は、特別なものではありません。年金の「受け取り方」の一つです。年金は60歳(から65歳)になった時からだけ受給できるというわけではなく、それ以外にも受け取る方法があります。そのうちの一つが「障害年金」になります。

ですので・・・
65歳以上である必要はありません。 むしろ65歳以上は原則として障害年金を請求できないことになっています。
*ここはケースによるので心配な場合はご相談ください

障害年金は障害状態であることに対して支給されるもので、2つの条件を満たせば誰にでも支給されます。

障害年金受給のための条件

1・障害認定基準を上回る障害状態であること
2・保険料を一定以上未納にしていないこと
上記のうち1は必須条件です。2は状況によって異なり、後に書いてある通り、満たさなくても支給される場合があります。

ただし前に記載したとおり、障害年金は原則として65歳までに請求する必要があります。
(これは事故なく「老齢」という別の受け取り方ができる年齢に達したため、障害年金という受け取り方では請求できなくなる、という考え方です。現役世代の所得保障ということですね。)

また、障害年金の受給資格を考えるときに一番よくある誤解は、各種障害者手帳(身体・療育・精神)と障害年金を関連付けてしまうことです。これは誤りで、障害年金と各種障害者手帳は根拠となる法律も異なる完全に別の制度です。

障害年金の受給可否には直接影響しませんので障害者手帳のことは一旦忘れてください。ひとつの参考にはなりますが、障害の程度(重さ)の目安にしかなりません。

もう少し障害年金制度について突っ込んで見てみましょう。

障害認定基準を上回る「障害状態」とは

障害年金受給の要件の一つは、当然ですが障害状態であることです。

障害年金には障害認定基準というものがあり、年金制度でいう障害状態とはどういった状態を指すかが決められています。(記事:精神肢体心臓・腎臓その他

障害年金を受給するためには必ず障害年金の障害認定基準を満たす必要がありますが、この基準には「就労していると対象外」とはまったく書いてありません。働いていても「障害年金でいう障害状態」にはなりえますし、そもそもそんな制度だと働く気がなくなってしまいます。

また、障害年金の障害認定基準は介護保険や各種障害者手帳の認定基準とは異なります。ですので「この手帳があるから障害年金を得られる」という風には通常なりません。手帳とは別に「障害年金の認定基準を越えているか」の認定を受ける必要があります。

障害年金の認定事務は障害共済年金以外は日本年金機構(旧社会保険庁)が直接行っています。障害基礎年金の場合は市町村役場の国民年金課を経由して手続きが可能ですが、提出書類はその後日本年金機構に回送されて認定されています。

障害年金は書面による審査となり、本人を直接見に来ることはありません。その点は介護保険制度とも違うところです。提出書類による審査で請求者が障害状態であるかの認定が行われます。

これらを一応押さえておきましょう。

障害年金受給のもう一つの要件「保険料納付要件」

各種障害者手帳は、障害状態であること「だけ」で認定されますが、障害年金を受給するにはもう一つの条件が必要です。

それが2の 「保険料を一定以上未納にしていないこと」 障害年金は基本的に保険と同じ仕組みです。たとえば自動車に乗っていて、交通事故を起こした時に自動車保険の保険料を払っていなかったら保険は出ませんよね。また、事故の後に保険に入って給付を受けることもできません。

障害年金もそれと同じで、保険事故時(つまり障害年金で言えば病気になった時)に保険料が一定以上未納だと障害年金を受給することはできないということになっています。ただ、民間の保険ではありませんから「未払い=即不支給」とまではされていません。

これを計算する基になる日が初診日です。

この計算方法は初診日時点で「未納」の状態にあっても、加入期間全体で見ることになっています。またもっと言ってしまえば、その病気に関して言えば、初診日以降が全部未納でも障害年金は支給されます。

また免除されている方(学生納付特例など)やそもそも納める義務のない人(国民年金第3号被保険者いわゆる会社員の扶養の方)は、未納にはなりえませんので、こうした方についても問題ありません。詳しい保険料に関する考え方は(記事:障害年金の保険料納付要件とは?)で確認してください。

また、よくある質問ですが、病気になったあとに滞納していた年金保険料を納める(後納)は、既に初診日のある障害年金の請求において納付済とすることはできません

「事故」後に保険料を納めたとの同じことですから、納付しても保険(年金)は得られません。後から納めた保険料は、今後障害状態になることがあった場合、また老齢年金を受給する際には計算に入れることができます。

保険料納付要件の例外「二十歳前傷病」

保険料を納めている必要がある、と書きましたがこれには例外があります。年金制度に加入する年齢とされている二十歳よりも前に初診日がある場合です。

たとえば先天性の障害などは、国民年金に加入する年齢(二十歳到達)よりも前に初診日があるので、年金保険料を払うことができません。そのため当然保険料を支払っている必要というのはありません。

この制度を活用した請求を二十歳前傷病による障害基礎年金請求と言います。ただし二十歳前傷病とすると、保険料を納めている必要がない分、一部支給に制限があります。

二十歳前傷病に限りませんが「医師の診療を受けている」というのが重要な要素です。「発症」ではなく、基本的には初診日を立証する必要があります。

一方で二十歳より前に初診日がある場合であっても、初診日時点で厚生年金加入の場合は、障害厚生年金として請求することができます。

各種障害者制度の違い

障害に関する制度はいくつかありますが、それぞれバラバラに動いています。

たとえば「障害者手帳」「労災」「障害年金」「介護保険」他は、似て非なる仕組みです。全てを受給するにはそれぞれ手続きが必要です。こうした障害者制度を管轄する機関も別々でありその認定基準もバラバラです。

ですので「障害者手帳を持ってるから障害年金が得られる」など、そういった「くくり方」は誤解を招くもとになります。

たとえば障害者手帳を持っていても障害年金を受給していない方は大勢います。手帳所持者の中には受給漏れの人もいれば、障害年金には該当しない人もいます。これは制度間で全く連動していないからです。

考え方としては「障害者手帳=交通機関の割引など生活におけるサービスの給付」、「障害年金=直接的な経済的支援としての給付」と考えて良いでしょう。直接的な経済的支援である分、障害年金の障害認定基準が一番厳しくなっています。

また一方で、近年増加している「障害者雇用」の条件となるのは原則として各種障害者手帳の所持者となります。

障害年金の対象にならない人と近い制度からの移行

大きな考え方として、障害年金は「障害状態」を理由とした年金であって、現役世代で障害状態になり、労働や日常生活における困難に対しての給付です。そのため原則として既に「老齢」を理由に年金を受けられる65歳以上の方は請求できません。(一部、65歳を超えても請求できる場合があります)

また障害基礎年金は、年金制度に加入する前の二十歳到達前の方も請求できません。

障害年金に近い社会保障・給付としては、労務不能に対して支払われる健康保険の傷病手当金がありますが、障害年金とは決定的に異なる点があります。

傷病手当金は、就労できなくなった時に受けられる給付です。つまり「労務不能」が絶対条件になっています。

障害年金の条件には「労務不能」という要件はありませんから、直接的に、就労している事実で給付を受けられないということはありません。つまり障害年金は働いていても障害認定基準を満たせば受給できるので、そこは大きな違いです。

また、傷病手当金は私傷病で就労できない場合に健康保険(組合・協会)から支給されるものです。障害年金とはお金の出どころが異なることになります。

傷病手当金の特徴は、障害年金は障害認定日を越えなければ請求できず、原則として1年6ヶ月経過しなければならないのに対して、給与を受けない待機期間、三日間を経過すれば請求できる点です。

またそれまで受けていた報酬のおよそ3分の2が補償されるので、金額面からも障害年金よりも傷病手当金をまず検討するのが通常です。

状況によって傷病手当金と障害年金、両方の受給権を得ることもできますが、両方を全額受け取る、ということはできません。それだと貰い過ぎになってしまうということで、調整されることになっています。

傷病手当金の最大の弱点は、治っていても治っていなくても、決められた期間で打ち切られてしまうことです。そのため病気によっては事前に打ち切られることを想定して、その後の準備をしておくことをお勧めします。(記事:傷病手当金の期間が残っているうちに障害年金を請求してください

障害年金の受給資格についてのまとめ

上記とは別に、障害状態であることの確認は障害認定日を過ぎていなければすることができません。
こちらは初診日によって、または障害によって変動する日付になります。ややこしいですよね。障害年金を請求するということは想像よりも難しいのです。

障害年金は働けているので対象にならない、と考えておられる方が非常に多い制度です。また一口に障害者制度といっても、多くの制度がバラバラに動いているのが現状です。

もし周りに受給の可能性がある方がいたら、ぜひ障害年金についても聞いてみてください。



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