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ウチの旦那が倒れたら(有給休暇~休職)

一家の大黒柱で、会社員のお父さん。お母さんは専業主婦です。家は7年前に建てた一戸建て。ローンは35年で返済中。子供は二人。息子と娘はまだ中学生でこれから教育費もかかります。

そんな時、お父さんが急病で倒れました!

・・・これは決して特別なことではありません。誰にでも当然にあるリスクです。ステラコンサルティングにいただくご相談というのは、多くが元々健常者であった方の傷病についてです。また、制度としても障害厚生年金というのは、厚生年金加入中の病気や怪我で負った障害に対して支払われるものですから、就労していた時になんらかの傷病が起きて、障害状態に至ったというものになります。

でも、実際にそういう状況になってみないと、こうした社会保障制度に興味も持ちませんし実感も湧きませんよね。一般的なその後の流れについて簡単にシミュレーションしてみたいと思います。

第1段階:発症から休職まで

会社で倒れているのを発見されたお父さんは、同僚が呼んでくれた救急車で病院に運ばれ、一命をとりとめました。手術をしましたが、どうも身体には麻痺が残っているようで、そのまま入院することになりました。
しばらくの間、会社には行くことができません。お母さんが会社に伝えたところ、お父さんには有給休暇があるので、当面それを使って休むことになりました。

(坂田の解説)
発症して会社に行けなくなった場合、有給休暇が残っていれば、まずはこちらを使用することになります。有給休暇は労働基準法で労働者に与えられた権利で、その名の通り、会社が給与を支払う必要がある休暇のことです。一般的な会社員の場合、100%給与が支払われる(欠勤控除されない)と考えて良いと思います。

有給休暇の日数は、入社してからの年数によって法定の日数が付与されるのが一般的です。付与日数から取得して消化した日数を引いたものが有給休暇の残日数となりますから、人によって異なります。現行の法律では、有給休暇は2年で消滅することとなっていますが、2年以上前の分については「療養有給休暇」などの名目で、こうした療養時にのみ取得できるようストックしている会社もあります。ただ、これは法定のものではなく会社が独自に設定しているものです。

やはり大企業の福利厚生というのは、手厚くすごいですね。

第2段階:休職へ移行

お父さんの病気は急性期を過ぎ、生命の危機は去りました。麻痺はあまり改善されませんでしたが、「この病院にはもういられません」と言われてしまったので、リハビリテーション病院へ転院することになりました。3ヶ月から6ヶ月ほど入院する予定です。有給休暇も残り少なくなってきたため会社と相談したところ、会社からは「休職」の提案がありました。
(坂田の解説)
急性期病院にいられる期間というのは限られていますので、命に支障ないとなれば転院をしなければなりません。脳疾患後遺症で麻痺が残っている場合、リハビリを目的としてリハビリテーション病院へ転院することが多いでしょう。いきなり自宅で受け入れることが困難ということもあります。ここからは長期戦です。

有給休暇で休んでいられる期間というのはせいぜい「数十日」という単位ですから、大病の場合は対応しきれません。そこで「休職」することになりますが、実は「休職」は労働基準法で定められた必須のものではなく、休職制度がない会社というのもあり得ます。ただし、大企業ではまず間違いなくありますし、中小企業でも多くの会社では制度として存在すると思います。

休職期間中の賃金については、制度自体の定めがないので、支給してもしなくても良いということになります。大企業では、1年6ヶ月の有給休職期間を設けている企業もありますが、中小企業ではほとんどは無給の休職期間というのが現実です。つまり、給与は出ないけれども会社に籍があり、社会保険に入り続けている、という状態です。

退職した場合は国民年金・国民健康保険となり、何らかの形で免除しない限りはその全額を負担しなければなりません。社会保険加入中は、会社が保険料の半分を負担してくれますし、扶養家族についても負担がありません。これはメリットであると言えます。復職の可能性や退職後の就職などを含めて考えると、基本的に、会社に残れるだけ残るというのが基本線であると思います。この間は天引する給与がないので、社会保険料を会社に支払う必要があります。

休職期間に関する法的な定めもありません。1ヶ月でも3年でも、会社が体力に合わせて自由に設定できます。この点からもやはり大企業の方が恵まれています。

お父さんは給与がないため、健康保険から傷病手当金を受給することにしました。
<続く>

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