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障害年金入門

精神科領域における初診日のとらえ方。

掲載日:2016年03月03日

精神科領域において初診日をどこに設定するか、難しいケースがあるのは事実です。障害年金の初診日と医学的な初診日は必ず一致するとは限りません。

精神科領域における初診日の捉え方

たとえば精神疾患の場合、精神科病院の受診であれば、または診療科を精神科や心療内科というところまで特定できれば、その受診日は初診日として認定される可能性があると言えると思います。風邪で内科を受診することはあっても、精神科を受診することはないからです。

しかし明らかに精神科病院を受診していても、それが初診日と認められないケースも存在します。多いのが、統合失調症により病識がないまま、家や自室に引きこもってしまうケースです。

たとえば最初の受診が二十歳到達前にあり、1回または3ヶ月程度の入院の後、その後5年から10年の治療空白が生じて(この間は症状が継続しているが、受診困難な状況)、何らかのきっかけで精神科を再度受診することが見受けられます。この場合の初診日とはどこを指すでしょうか。

こうした経過の場合、問題になるのは二十歳語の受診時点で「未納」が絡むケースです。こうした状態ですと家庭内に大きな問題があるため、国民年金保険料が未納になってしまうことが多々見られます。つまり後の受診を初診日とした場合に、保険料納付要件を満たすことができず、年金が支給されないこととなってしまいます。(事例

初診日が移動するケースというのは、相当因果関係がない場合と社会的治癒だけです。また初診日が二十歳到達前にあれば保険料納付要件は必要がなくなるので、請求傷病と前受診に相当因果関係があれば、障害基礎年金の受給権が発生する余地があります。社会的治癒とは反対の考え方ですね。

難しく書きすぎましたが、要は、前の受診は今の状態の最初の頃だったんだよ!と示さればいいわけです。

しかしこの初診日認定は揉めます。

このような状態で裁定請求をしたことは2度ほどありますが、すんなりと認められたことはありません。しかし2度とも再審査請求までいって、障害基礎年金の受給権を取得することができました。そもそも統合失調症の前駆症状は神経症の様態であることも多く、最初の受診の時点で統合失調症との病名が付かないまま通院しなくなってしまうこともあります。

こうしたケースについて社会保険審査会裁決はいくつかあり、それらを踏まえた上で、再審査請求を見据えて請求しなければなりませんので、率直に言ってしまうとご自身で裁定請求をするのは難しいと思います。

初診日として受診した日から次の受診までが数年単位で空いているとき、初診日は厚生年金だが次の受診が国民年金であるときなど、国民年金の可能性がある場合は年金機構もかなり厳しく見てきます。特にこういった時はきちんと初診日が認められるよう、充分な資料を準備して請求してください。

また精神疾患であっても、近医の内科であったり婦人科(産後うつなど)、小児科や耳鼻科、変わったところだと皮膚科や頭痛外来などが初診日として認定される事があります。この辺りは、症状に応じて個別に認定をしています。

初診日とは、基本的に症状が出て最初に医師にかかった時ですので、こうした科も初診日になりえます。難しいのは内科で「神経性胃炎」「過敏性腸症候群」等の病名が付いた場合です。この場合は初診日となる場合、ならない場合の両方の認定が混在します。医療機関の紹介、カルテ上にストレスなど心的要因が示唆されていれば、初診日として取り扱われることがありますが、基本的に初診日とされないことの方が多いと思います。



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