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障害年金における先天性の疾患と障害厚生年金を請求できるケース

障害年金は、保険であるのと同時に社会保障でもあります。
そのため、先天性の疾患や子供の頃の病気や事故などで障害状態となった場合は、国民年金加入前なので、年金保険料を納めていなくても障害基礎年金を請求し、障害の程度が障害認定基準に該当すれば、障害年金を受給することができます。

この仕組みを二十歳前傷病による障害基礎年金請求といいます。この障害基礎年金は保険の仕組みを取っていませんので、より福祉的なものです。障害年金においては、二十歳より前と後の傷病は明確に区別されますが、同じ20歳前である「先天性の傷病」と「19歳時の交通事故」は区別しませんので、同じ二十歳前傷病による障害基礎年金を請求するという点、得られる受給権自体はまったく同じです。

先天性疾患をお持ちのお子さんのご家族さまは、障害年金請求するのが少し気が引ける、という方もいらっしゃるようです。でもこのお話をすると少しホッとされたような顔をされます。知的・発達障害のお子さんを持たれるご家族は、よく「二十歳になったら障害年金請求するのよ」と言われると思いますが、これはこの仕組みを使って障害基礎年金を請求するためです。

この場合、障害認定日は二十歳到達時となりますから、20歳に到達することで障害年金が請求可能となります。

*注意点
二十歳到達前に厚生年金に加入し、その期間中に初診がある場合は障害厚生年金の請求が可能です。 また二十歳前傷病においては1年6月経過時(または症状固定時)と二十歳到達時の遅い方が障害認定日となります。

二十歳前傷病にするとは限らないケース

先天性の傷病であっても、障害厚生年金の請求が可能であるケースがあります。このときに二十歳前傷病として障害基礎年金を請求してしまうと、本来得られるはずだった給付が得られないこともあります。

発達障害の場合

発達障害は、よく先天性と言われます。ただ実際に発達障害が判明するのはある程度成長が伴ってからで、4歳、5歳ということが多い様です。そして、二十歳到達後に判明することもあります。この場合、初診日時点において厚生年金に加入していれば、障害厚生年金として請求可能です。

これと同様のケースで、知的障害と診断されることもあります。知的障害についてはこうした取扱いがされておらず、傷病名が知的障害となってしまうと初診日は生年月日という取扱いがなされています。障害認定基準には記載がなく、こうした機微のようなものが障害年金の難しいところでもあります。

先天性股関節脱臼後の変形性股関節症

同様に、先天性股関節脱臼が誘因と思われる変形性股関節症の場合も、実際の症状(痛み・違和感)が40歳や50歳で初めて生じる場合もあります。こうした際はその初診日時点で厚生年金に加入していれば、同様に障害厚生年金として請求することが可能です。臼蓋形成不全も同様です。(事例

こうしたケースでは、相談時に「幼少期にバンドを巻いていた」等の説明をすることで、障害基礎年金を案内されてしまうことがあります。しかし、実際の認定においては、その後の生活が問題なく遅れたことを明確にすることによって、厚生年金期間中の初診日が認められるケースが多くあり、当事務所では非常に多く扱っています。

これは、障害年金上の初診日と医学上の初診日が必ずしも一致しない典型的な事例です。

医師の見立てを否定するつもりはありません。医師は医学の専門家ですから、間違いなく私より医療に詳しいと思います。ですが、私は障害年金を専門にしています。医師が医学上の初診日に固執される姿も見てきました。必ずしもこれが一致するとは限らないことを申し上げたいと思います。

内部疾患

こうしたことは内部疾患でもありえます。発達障害とは異なり、社会的治癒を介して障害厚生年金の請求が可能となるケースです。幼少期の心臓手術を経て、長期間の経過観察(または未受診)期間中に社会的治癒が成立し、障害厚生年金として認められることなどがあります。これについても相談窓口などで話すと、二十歳前傷病による障害基礎年金とされてしまうこともありますが、実際には障害厚生年金として認められる事例もあります。

ただ、この辺りの判断は非常に難しく、絶対に認められると言い切って請求することが私たちもできません。難しいケースも多々あるのですが、障害厚生年金と障害基礎年金は非常に大きな差がありますから、簡単に障害厚生年金を諦めていただきたくないと思います。

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