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発症していたけど医療機関を受診していない場合はどうなるの?

保険料納付要件を満たさない場合や制度をまたぐ場合、初診日がどの時点になるかによって給付が行われるか、給付がどの程度になるかが変わってきます。そのため、初診日がどこになるかというのは非常に重要な問題です。

しかし、初診日とは何かをきちんと理解して請求するのはとても難しいことです。これはなぜ初診日が求められているか、初診日は何のために立証しなければならないとされているのか、を理解しなくてはならないからです。また、年金機構の審査では、障害の程度だけではなく初診日の審査も行っていますから、請求者が申し立てた初診日が必ず認定されるとは限りません。

医療機関を受診していれば、そこは初診日になる可能性がありますが、ではそれ以外のケースではどうなるでしょうか。

発症はしていたが、医療機関を受診していない場合

傷病によっては、発症してもすぐに受診するとは限らない場合があります。

しばしば例として挙げられるのは統合失調症です。統合失調症は幻聴や妄想といった典型的な陽性症状が生じる前に、前駆症状と言われる神経症様の症状を表す場合があります。この時点での鑑別は難しいと言われています。そのため、受診状況等証明書には神経症と記載され、その後は本人の受診拒否により医療の空白が生じ、何年も経って受診した時には統合失調症と診断されることがあります。この場合に問題となるのは神経症と統合失調症の相当因果関係です。

しかし、そもそも受診がない場合にはどうなるでしょうか。

受診がないということは、基本的に「客観的資料」によって発症を証明することができませんが、第三者の何らかの資料によって発症が証明された場合です。

これについては過去に社会保険審査会裁決、訴訟で争われています。認められた裁決もあったのですが、近年、訴訟により最高裁まで争われ、高裁では原告勝訴となったものの最終的には最高裁で判決が取り消され、受給が認められなかったということがありました。

平成19年(行ヒ)第68号 最高裁判所第二小法廷判決
原審は,統合失調症について,発症から医師の診療を受けるに至るまでの期間が長期化しがちであるという特質があることなどを理由として,統合失調症を発症し医師の診療を必要とする状態に至った時点において20歳未満であったことが,医師の事後的診断等により医学的に確認できた者については,初診日要件を満たすものと解するのが相当であるとするのであるが,このような解釈は,前記各条項の文理に反するものであり,また,国民年金法が画一的かつ公平な判断のために当該傷病につき医師等の診療を受けた日をもって障害基礎年金の支給に係る規定の適用範囲を画することとした前記の立法趣旨に照らしても,採用することができない。

この判決には少数意見が付いています。ほとんどの方はこの少数意見というところについて理解できる考え方と評価されると思いますが、いずれにしてもこの判決が持つ意味は非常に重いものであると思います。

少数の例外:知的障害と健康診断

ただし、これからはみ出る取扱いというのもあります。一つは知的障害です。

発達障害については、生育後に医療機関を受診して判明した場合はその時点を初診日として、保険料納付要件を確認したうえで加入していた制度の障害給付を請求できます。つまり障害厚生年金の道が残されています。しかし知的障害は別で、生育後に受診して療育手帳を取得した場合などにおいても、初診日は慣例的に生年月日とされ、20歳前傷病による障害基礎年金の請求しかできません。

この法的根拠は不明ですが、現時点において年金機構はこうした取扱いをしています。ただしこれにはメリットもあり、保険料納付要件を満たさない方が比較的多くおられますので、そうした方の救済につながっている側面があります。

もう一つは健康診断で指摘を受け、医療機関を受診した場合です。
健康診断を受けた日(健診日)は原則として初診日として取り扱わないこととするとされていますが、初診医療機関の受診状況等証明書が得られない場合であって、医学的見地からただちに治療が必要と認められる健診結果である場合については、請求者の申立てがあれば健診日を初診日として認めることができる、とされています。

つまり、健診後に退職し、その後に医療機関を受診した場合には、この医療機関の受診状況等証明書が取得できるか、また本人申立てを行うかによって、給付が異なってくることになります。本人が納めていた年金保険料はどちらにせよ変わりませんから、これはこれですごい制度です。

元々、障害年金制度においては健康診断を受診した場合には、その日を初診日とする取扱いがありました。しかし、健康診断結果を提出できない人がたくさんいて却下処分が続出していたので、平成27年10月からこのような取り扱いに変更したという経緯があります。当方のご依頼者の方には、現行制度では障害基礎年金にしかならないものの、この取扱いとなる以前に請求していて障害厚生年金を受給できた方もいます。

公的年金制度ですから安定して変化が少ない制度というイメージがあるかもしれませんが、実際には、知る知らないで大違い、ということになりかねないのが障害年金制度です。

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