障害年金で却下処分を受けないための初診日証明とは。
掲載日:2018.10.19
障害年金の受給要件のうち、、保険料納付要件と制度加入要件については、その性質上、初診日が特定されなければ確認をすることができません。しかし、障害年金を請求する人全員がこれを立証できるとは限りませんから、そうした人は現在でも請求を却下されるようになっています。
平成27年9月28日、厚生労働省年金局事業管理課長発「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて」において、こうした場合の事務取扱が改めて統一されることとなりました。
そしてこれは決して稀なことではなく、よくあることなのです。
初診日不明による却下が多いため、厚生労働省では段階的にこの解消を図ってきました。そのなかの一つが「第三者証明」による初診日の証明でした。特に、二十歳前傷病においては第三者証明による初診日の立証もありうるとされています。しかし要件を満たした第三者証明であっても、依然として却下処分を受けることはかなり残っていると言え、制度の救世主という存在にまでは至っていません。
結果として、初診日を相当程度まで立証しない限り、却下処分を受けてしまうという現状にあまり変わりはありません。
第三者証明による証明は、二十歳前傷病(20歳到達前に初診日がある場合)の障害基礎年金請求とそれ以外の請求に分けられます。
初診日が、20歳前、後いずれかによって、まず大きな違いがあります。そもそも資料がないから第三者証明を使用するのに、更に他の資料を用意しろ、というのはあまりに酷です。しかしながら、現在の取扱いではそのようにして初診日を認定するものとされています。
これも大きく分けて2つに分けられます。この限定された期間すべてが同じ制度であった場合と分かれている場合です。
つまり、期間さえ限定することができれば、障害基礎年金ならば他の資料がなくとも認められる、という理屈になります。しかし現在のところ、未だ却下処分を受けるケースは少なくありません。
基本的に、初診日が特定できない場合の障害年金請求はリスクが大きく、自身での請求困難なケースに当たります。こうした場合にはぜひご相談ください。
平成27年9月28日、厚生労働省年金局事業管理課長発「障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の取扱いについて」において、こうした場合の事務取扱が改めて統一されることとなりました。
初診日は特定する必要がある
基本的な考え方として、初診日は年月日まで特定して立証する必要があります。これができれば、初診日については全く問題がありません。しかし、糖尿病など病歴が著しく長い病気の場合や精神疾患で転院を繰り返している場合などは、取得しなければならない初診の記録が古く、診療録の廃棄、医療機関の廃院などによって初診日を特定することが困難であることがしばしばあります。そしてこれは決して稀なことではなく、よくあることなのです。
初診日不明による却下が多いため、厚生労働省では段階的にこの解消を図ってきました。そのなかの一つが「第三者証明」による初診日の証明でした。特に、二十歳前傷病においては第三者証明による初診日の立証もありうるとされています。しかし要件を満たした第三者証明であっても、依然として却下処分を受けることはかなり残っていると言え、制度の救世主という存在にまでは至っていません。
結果として、初診日を相当程度まで立証しない限り、却下処分を受けてしまうという現状にあまり変わりはありません。
第三者証明による初診日確認の取扱い
一応、制度として「第三者証明」のみで初診日が認められるというケースが設定されました。しかし、これが認められるかどうかは病歴や傷病の持つ特性にもよります。精神疾患の場合、いつ発症するかは定まっていないので「第三者証明」のみでの立証は非常に困難です。第三者証明による証明は、二十歳前傷病(20歳到達前に初診日がある場合)の障害基礎年金請求とそれ以外の請求に分けられます。
20歳前傷病による障害基礎年金請求 | 第三者証明のみであっても、初診日として認定を受けられる可能性がある |
20歳以降に初診日がある | 「第三者証明」以外に他の資料の提出を求められます。そこで「第三者証明」と整合性を確認して、申し立てられた初診日を認めることができる |
初診日が一定期間内にあると確認された場合
この仕組みは、初診日は具体的に特定できないけれども、一定の期間を区切った場合にその中にあることまでは立証できる、という場合の認定についてです。これが作られたことは非常に大きいです。これによって、初診日が客観的資料によって一定期間内にあると証明された場合にも認定を受けられることとなりました。従来はこうした場合であっても却下を受けることがほとんどでしたので前進と言えると思います。これも大きく分けて2つに分けられます。この限定された期間すべてが同じ制度であった場合と分かれている場合です。
同じ制度 | 参考資料によって請求者が申し立てた初診日を認めることができる |
制度をまたいでいる(一部は厚生年金期間だが、国民年金期間が含まれる場合) | 参考資料によって請求者が申し立てた初診日を認めることができる。 ただし申し立てた初診日が国民年金期間である場合等は、他の資料がなくとも請求者が申し立てた初診日を認めることができる |
その他初診日の取扱い
そのほかにもいくつか、初診日にかかる統一した基準が定められました。医療機関(診療録など)に、請求者が申し立てた初診日が記載されている場合 | 診療録等が障害年金請求の5年以上前に作成されている場合には、初診日と認めることができる。5年以上でない場合は参考資料(第三者証明を除く)によって認めることができる。 |
診察券で初診日が確認できる場合 | 診療科(主に精神科、糖尿病内科など)によって初診日であると推定できる場合は、初診日として認めることができる。 |
健診日の取扱い | 原則として初めて治療目的で医療機関を受診した日とし、健康診断を受けた日(健診日)は初診日として取り扱わないこととする。ただし、医学的見地からただちに治療が必要と認められる健診結果である場合は、請求者からの申立てによって健診日を初診日とすることができる。 |
まとめ
上記のように初診日についての考え方はまとめられることとなりました。しかしながら依然として却下処分は多く、初診日に関する問題は少なくなったようには感じられません。多くの審査請求、再審査請求を行っている現実があります。基本的に、初診日が特定できない場合の障害年金請求はリスクが大きく、自身での請求困難なケースに当たります。こうした場合にはぜひご相談ください。
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